『眼球の夢』の佐藤寿保が放つ異色のエロティック・サイコ・サスペンス!!がここに誕生しました。
思わせぶりで、焦らされて、潤んだ瞳で見つめられ、コロっと落とされ、交わって、最後にズドンと堕とされる。そんな女性を描き、「小悪魔」とは違う「可愛い悪魔」である主人公が登場するのが映画「可愛い悪魔」です。
彼女が女であるための無意識の愛、或いは暴走する本能。そして、彼女を抱いた、その先にあるものは…、究極のエクスタシーか? 底無しのペインか?
80年代にピンク四天王として活躍し、00年代以降は一般映画でメガホンを執る佐藤寿保監督が撮り上げた、ピンク時代のアグレッシブかつペインフル溢れる作風を彷彿とさせるエロティック・サイコ・サスペンス! “可愛い悪魔”美穂を演じるのはラブ&エロス・シネマ・コレクション2ndシーズンの『蝉の女』、『ごくつまの恋』の2作に主演し、最優秀女優賞を受賞した七海なな。脚本は『華魂』シリーズで佐藤寿保監督とコンビを組んだほか、山下敦弘監督『苦役列車』等のいまおかしんじ。
佐藤寿保(監督)×いまおかしんじ(脚本)のゴールデンコンビに七海なな(ヒロイン)が科学反応を起こす!
「切ったぞ!」
と切り取った桑田正一(萩野崇)のチンポコを高々と掲げる戸塚一樹(鐘ヶ江佳太)。
それを瞳揺れずに見つめる戸塚美穂(七海なな)。
事件後、静かに一人暮らしをしている美穂のところに怪しいルポライター法月守(杉山裕右)が近づいて事件の真相をしつこく尋ね、迷いの末に口を開ける美穂。
真面目でストイックな夫の一樹とささやかな生活をしている中、夫は美穂を宝物のように大切に扱っていたが、美穂は桑田の弁護士事務所でアルバイトとして働き始めてから変わっていく…。
弁護士として颯爽と働く桑田に好感を持つと、桑田の優しさにどんどん心を奪われてしまう。
本能を隠し切れない2人はついに深い関係になり、不倫関係を続けてしまう。
そこにはどうしても断ち切れない究極の快感があった。
その罪悪感と快楽の混ざり合いで生み出した美穂の本性とは…?
法月は果たして美穂から「真実」を探せるのか。
終わったようで始まっている「可愛い悪魔」の行方は…?
七海なな
杉山裕右
鐘ヶ江佳太
萩野崇
監督:佐藤寿保
1959年、静岡出身。東京工芸大学卒業後、向井寛主宰の「獅子プロダクション」に参加。ピンク映画の世界に足を踏み入れ、滝田洋二郎らの助監督を務め、85年に『激愛!ロリータ密猟』<一般作題名『狂った感触』>で監督デビュー。同年ズームアップ映画祭新人監督賞を受賞。以後、日常にひそむ狂気と倒錯のエロチシズムをハードな映像で描き続けた手法はピンク映画という枠を超えた注目を集め、サトウトシキ、佐野和宏、瀬々敬久とともにピンク四天王と称され、その筆頭として人気が高まる。その作風はロッテルダム映画祭、ヴィエンナーレ映画祭など海外でも高い関心を集める。一般作では96年の芥川龍之介原作『藪の中』を皮切りに江戸川乱歩原作『乱歩地獄(『芋虫』』(05年)、谷崎潤一郎原作『刺青 SI-SEI』(05年)と文豪作品に取り組む。その他の監督作に『名前のない女たち』(10年)、『華魂』(13年)、『華魂 幻影』(16年)、『眼球の夢』(16年)などがある。
脚本:いまおかしんじ
1965年大阪府出身。横浜市立大学中退後、獅子プロダクションに入社。佐藤寿保、瀬々敬久、神代辰巳監督の助監督として参加。95年に『獣たちの性宴 イクときいっしょ』<一般作題名『彗星まち』>で監督としてデビュー、自身で脚本も書き、常に高い評価を得る。『援助交際物語 したがるオンナたち』では2005年度ピンク大賞(ピンク映画雑誌「PG」主催)において、ピンク映画ベスト10第1位となり、作品賞、監督賞等を受賞したほか、『かえるのうた』と改題し一般作として再上映され興行的にも大ヒットを飛ばす。その後も愛染恭子との共同監督作『白日夢』(09年)、クリストファー・ドイルを撮影として迎えた『UNDERWATER LOVE –おんなの河童-』(11年)など意欲的な作家活動を続けている。脚本家としては『苦役列車』(12年)、『超能力研究部の3人』(14年)、『華魂』(14年)などがある。