21世紀に入りベラルーシ、ウクライナ、ロシアと旧ソ連で、そして近年では台湾で撮影した映画を撮り続けてきた今関あきよし監督は、海外での撮影が困難なこの時代にみつけたものは原点回帰とも言えるショート・フィルムであった。
それは約30分の間に起承転結の中から観客へ答えを提示するものではなく「音楽」、「映像」、そして詩を朗読するかの如き「台詞」により、観客自らが答えを探り出すというスタイルのもの。
それはまさに「映像詩」。
そんな新しいスタイルの映画作りに挑む原点となった2019年製作の『Memories』と、今年の冬に完成させた最新作『Dear Moon』が今秋お目見えする。