劇画が主流の麻雀コミックの世界に於いて、コミカルなキャラクターとコミカルなストーリー&世界観を持った作品を描き続け、この世界の第一人者である片山まさゆきの代表作にして連載7年、単行本全15巻の人気作『打姫オバカミーコ』が映像化され、2020年9月からABEMAプレミアム限定で先行配信されたシリーズ5話を、配信版では泣く泣くカットされたシーンを加えて再編集した『劇場版・打姫オバカミーコ』として遂に映画館のスクリーンに登場する。
天然キャラに加えて腕前に問題アリの女流雀士・丘葉未唯子(おかばみいこ)がかつて最強雀士と言われながら麻雀と訣別した波溜晴(なみだめはる)と最強ライバルに挑む様をコミカルチックに、かつ恋愛チックに描いた、麻雀を知らない人でも大いに楽しめる痛快麻雀ムービー。
未唯子を演じるのはSKE48でセンターも務めた須田亜香里。劇場用映画は初出演にして初主演となる。ステージやバラエティ番組で見せる明るさそのままに、彼女ながらの未唯子像を創り出している。
未唯子の師匠・波溜を演じるのは俳優として実力者でありながら現役Mリーガーでもある萩原聖人。数々の麻雀番組で勝利に輝き麻雀の腕前は世に知られているものの、俳優として雀士を演じるのは本作が初であることは驚かされる。
2人のライバル、我鷹愁(がたかしゅう)と馬杉寧香(うますぎねいか)を波岡一喜と百合沙が演じている。そのほか、内山信二、じゃい(インスタントジョンソン)、小田あさ美などに加え、勝又健志、鈴木たろう、丸山奏子、神椰めい、松田麻矢などの現役プロ雀士、更には原作者の片山まさゆきも出演している。
なんでこんな腕前でプロになれたのか?と周囲も呆れるJMP女流リーグの雀士、丘葉未唯子は波溜晴(なみだめはる)に弟子入りすることを決意する。波溜はかつてJMPのAリーグプロで、永遠のライバルである我鷹愁(がたかしゅう)を破り風王位にまで昇りつめたのだが、彼の麻雀熱の高まりに反比例して妻との関係が冷めてゆき離婚に至ったことに心を痛め、風王位を捨てて引退をしていた。弟子入りを必死に懇願する未唯子に麻雀との訣別を誓っていた波溜は頑なに断るが、かつての自分の情熱を取り戻すために翻意する。
JMP所属のプロは同じくJMP所属のプロにしか弟子入りすることが出来ない決まりがあるため、波溜は今ではJMPの実質的権力者である我鷹に復帰を願い出るが、出された条件は最下部のD2リーグへの所属であった。元風王位としては屈辱の条件であるが、未唯子のために波溜はそれを受け入れる。
未唯子は波溜から数々の極意を伝授さてれ女流リーグ戦に臨む。師匠の教えが功を奏したかに見えた未唯子だが、打牌などの基本動作がなっていないことを優勝候補の宝生れいらほか対局相手から次々と指摘されて精神的に落ち込んでしまう。女流リーグの雀士は未唯子以外すべて我鷹の弟子で、彼女は孤立無援の状態なのだ。孤軍奮闘の中、宝生との壮絶なデッドヒートを繰り広げる未唯子は、最終節最終戦で宝生らと共にペアマッチ進出の権利を掴む。と同時に波溜に心を掴まれてもいた。
未唯子と波溜の真の敵は宝生のペアではなく、我鷹と女流リーグのトップに君臨する馬杉
寧香(うますぎねいか)のペア。圧倒的な強さの波溜と、波溜の足を引っ張り続ける未唯子。安定の強さを見せつける我鷹と馬杉のペア。一進一退の攻防が続く中、一度は麻雀の神様に愛されて風王位に輝くものの、いとも簡単にその座を捨てた波溜に再び麻雀の神様は微笑みかけてくれるのだろうか?そして、恋の女神は未唯子に微笑んでくれるのだろうか?
CAST・STAFF
須田亜香里 Akari Suda
as 丘葉未唯子 Miiko Okaba
2009年12月にSKE48チームSの劇場公演でデビュー。13年には『恋するフォーチュンクッキー』で初選抜入りを果たす。18年10月には国内外のグループを対象にした「AKB48 53rdシングル世界選抜総選挙」にて2位を記録する。現在はSKE48チームEのメンバーで、同チームのリーダーを務めている。17年には『コンプレックス力 ~なぜ逆境から這い上がれたのか?~』を上梓して文才も披露している。麻雀関連では情報番組『熱闘!Mリーグ』のアシスタントを務めている。女優としては『マジすか学園4』(15年)、『マジすか学園5』(15年)、『豆腐プロレス』(17年)、『1942のプレイボール』(17年)などのテレビドラマはあるが、映画は本作が初の出演となる。
萩原聖人 Masato Hagiwara
as 波溜晴 Haru Namidame
1993年の『学校』ほかで日刊スポーツ映画大賞新人賞、94年にはエランドール賞新人賞、『月はどっちに出ている』ほかで日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。その後も『マークスの山』(95年)、『CURE』(97年)などで数々の賞を受賞する。声優やナレーターとしても知られ『冬のソナタ』などペ・ヨンジュンのアフレコを数多く務める。麻雀番組にプレイヤーとして出演、数々の優勝歴を誇り、2018年7月には日本プロ麻雀連盟に入会して正式にプロ雀士となり、Mリーグにも参戦している。その他の映画出演作に『風立つライオン』(15年)、『ナミヤ雑貨店の奇跡』(17年)、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18年)、『Fukushima50』(19年)などがある。
波岡一喜 Kazuki Namioka
as 我鷹愁 Syuu Gataka
2005年公開の『パッチギ!』で注目を集める。以後、『クローズZERO』シリーズ(07・09年)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(12年)、『探偵はBARにいる』シリーズ(11・13年)、『図書館戦争』シリーズ(13・15年)、『決算!忠臣蔵』(19年)など、数多くの作品に出演。
百合沙 Yurisa
as 馬杉寧香 Neika Umasugi
グラビアアイドルとして活躍し、その後に『教科書にないッ!』シリーズ(16年~)から本格的に女優業に進出し『蠱毒 ミートボールマシン』(17年)などに出演している。『新春オールスター麻雀大会』(19年)ではチーム優勝を飾るなど、麻雀の腕前も抜群。本作の企画は彼女自身のものでスタッフに名を連ねている。
松田圭太 Keita Matsuda 監督・脚本
CG制作会社Ricefieldの代表として数多くのTV、映画、CMなどに参加する一方で、『エレクトロニックガール』(08年)で映画監督デビューを果たす。その他の監督作に『パーティは銭湯からはじまる』(12年)、『...and LOVE』(16年)、『最果てリストランテ』(18年)、『HARAJUKU ~天使がくれた七日間~』(19年)などがある。
片山まさゆき Masayuki Katayama 原作
麻雀漫画の第一人者として数多くのヒット作を放つ。1981年に週刊ヤングマガジンでデビュー。同誌において連載された『ぎゅわんぶらあ自己中心派』(82年)で人気を不動のものとする。近代麻雀オリジナルで連載が開始された『スーパーヅガン』(83年~)も代表作の1つであり、92年にはテレビアニメ化もされている。04年から近代麻雀にて連載が開始された『打姫オバカミーコ』は、『スーパーヅガン』の9巻をはるかに上回る15巻の単行本が発刊されている。第1回麻雀最強戦にて第1期最強位となるほか、東京の高円寺、吉祥寺にて雀荘を営んでもいる。また、麻雀対局番組の出演も多数。その他の著作に『ノーマーク爆牌党』(89年~)、『ミリオンシャンテンさだめだ‼』(97年~)、『牌賊!オカルティ』(00年~)、『満潮!ツモクラテス』(10年~)などがある。また、『大トロ倶楽部』(87年~)、『SWEET三国志』(92年~)、『レッドカブラ』(94年~)といった麻雀以外でのジャンルも執筆。