INTRODUCTION
イントロダクション
監督はウクライナ、ロシア、台湾など様々な国で現地の人々と向き合い、美しい風景を映像に閉じ込め、その地域ならではの人間模様を独特な感性で描き続けることで注目される今関あきよし。彼が次に見つけた美しい風景は、日本・鹿児島。
大林宣彦監督に師事し、大林イズムを継承する彼が、紡ぎだしたのは大人のためのファンタジー。脚本家に『江ノ島プリズム』の小林弘利、撮影は今関と何度もタッグを組み、自身も大林作品の参加経験を持つ三本木久城が参加。壮大な桜島を背景に、昔ながらの懐かしい風景と近代建物が共存する町、鹿児島市を中心にその美しい風景の中で繰り広げられる、心はぐれたあなたの心に寄り添う優しい物語が誕生した。
主人公、美巳(みみ)役を演じるのは、初主演映画「神田川のふたり」で、22 年キネマ旬報のベストテンで新人女優部門上位にランクインし、23年公開の「ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい」の演技も印象に残る鹿児島出身の上大迫祐希。心揺れ動く、卒業間近の女子大生の心を丁寧に演じている。
美巳の親友で、心に痛みを抱える希良(きら)役に、「NewDays」のイメージキャラクター
として注目され、23年公開「僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンも美味い。」
でヒロインを演じた原愛音。上大迫と同じく、鹿児島出身で長編作品初出演の肥後遼太郎がフレッシュな演技で魅せてくれる。
脇を固めるのは、美巳に引き寄せられる様に登場する女性に、逢澤みちる。
港に現れる謎の男に大林宣彦監督作品で主演を演じてきた窪塚俊介。
美巳の伯母であり、彼女自身も秘密を抱える嘉子(よしこ)役に、佐伯日菜子が参加し、物語に深みを与えてくれている。
主題歌を務めるのは、熊本出身で鹿児島在住のアーティスト・よしむらさおり。
彼女の優しい歌声が華を添えた。
STORY
ストーリー
唯一の家族だった父親を亡くし、心に穴があいたままの美巳。父の代わりに店を切り盛りする為にやって来た伯母・嘉子との向き合い方もわからず、訳もなく当たり散らしてばかり。目前に控えた美大の卒業制作も手を付けられず自分を見失いそうになっていた。
親友の希良は、何事も前向きな性格ながらも、そんな自分自身を持て余している。
美巳との向き合い方がうまくいかない嘉子もまた人には言えない深い秘密を抱えていた…。
そんな美巳に不可思議な変化が起こり始める。見えないはずのモノが見え、聴こえないはずの声が聴こえるようになってしまう…。
PROFILE
プロフィール
上大迫 祐希 Yuki Kamiosako
田中 美巳 Mimi Tanaka
2000年、鹿児島県出身。2019年に上京し本格的に女優業を開始。映画『スパゲティコード・ラブ』(21年)で長編映画初出演ながら主要キャストに抜擢される。主な出演は、CMでは『カネボウ化粧品/KATE』(20年)、『グリコ/ポッキー』(21年)、『ポケモンユナイト』(21年)など。舞台ではラッパ屋『ショウは終わった』(22年)、同『ウェルカム・トゥ・ホープ』(23年)など。映画では第96回キネマ旬報ベストテン新人女優第三位に輝いた『神田川のふたり』(21年)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(23年)がある。
原 愛音 Aine Hara
本橋 希良 Kira Motohashi
2003年、福岡県出身。出演作としてTVドラマ『メンズ校』(20年)、『スタンドUPスタート』(23年)、Amazon Original連続ドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』(22年)、Huluオリジナルドラマ『ヒロインの親友はハードスケジュール!!』(23年)、映画では『みなに幸あれ』(23年)、『僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。』(23年)がある。22年には「NewDays」のイメージキャラクターに抜擢される。
肥後 遼太郎 Ryotaro Higo
蒲生 ユタカ Yutaka Gamo
1998年、鹿児島県出身。舞台を中心に活動を行う。最新出演作は『屋上の鍵の開け方をね、極秘のルートでゲットしたのだよ』(23)劇団夜想会 野伏翔プロデュース『祖国への挽歌』(23)映画では、短編『ブラックライン』(22)。本作が長編作品初出演となる。
まっぴーさくらじま Sakurajima Mappi
沖山 ますみ Masumi Okiyama
1962年、鹿児島県出身。現在も拠点を鹿児島に置き、活動を行っている。
鹿児島PR動画には2年連続で出演し、鹿児島地元俳優としての活躍が期待される。
本作が初の長編出演作となる。
逢澤 みちる Michiru Aizawa
日高 涼子 Ryoko Hidaka
1989年、埼玉県出身。TVドラマ『悪霊病棟』(13年)、『黒革の手帖』(17年)、映画『...and LOVE』(16年)などに出演後、映画『インフォ・メン 獣の笑み、ゲスの涙。』でヒロインに抜擢される。その後も映画では『劇場版 打姫オバカミーコ』(20年)、『神田川のふたり』(21年)、『美男ペコパンと悪魔』(23年)に出演。
窪塚 俊介 Shunsuke Kubozuka
佐野 広大 Kodai Sano
1981年、神奈川県出身。リー・ストラスバーグ演劇学校で学び、帰国後にデビュー。映画『花筐/HANAGATAMI』(17年)、『スカブロ』(17年)、『エリカ38』(19年)、『海辺の映画館 キネマの玉手箱』(20年)、『大コメ騒動』(20年)、『女たち』(21年)、『空のない世界から』(22年)などに出演。
佐伯 日菜子 Hinako Saeki
田中 嘉子 Yoshiko Tanaka
1977年、奈良県出身。1994年に女優デビュー作『毎日が夏休み』で日本アカデミー賞新人俳優賞、山路ふみ子映画賞新人女優賞などに輝く。その後も映画『静かな生活』(95年)、『らせん』(98年)、『ギプス』(00年)、『インターミッション』(12年)、『イソップの思うツボ』(19年)、『僕はイエス様が嫌い』(19年)、『森の中のレストラン』(22年)、『リゾートバイト』(23年)、『瞼の転校生』(23年)などに出演。
今関 あきよし Akiyoshi Imazeki
監督 Director
高校生の頃から8mm映画の自主制作を始め、1979年に制作した『ORANGING’79』がオフシアター・フィルムフェスティバル’79(のちのPFF)で入賞を果たす。その後も自主制作で青春時代を過ごす少女の甘酸っぱさを繊細に描く作品を次々と送り出し、インディーズ界の雄のひとりとして注目を集め、1983年に『アイコ十六歳』でメジャーデビューを果たす。プロとなってからも少女の心を描いた作品を多数世に送り出している。その他の監督作に『グリーン・レクイエム』(88年)、『すももももも』(95年)、『タイム・リープ』(98年)、『十七歳』(02年)、『カリーナの林檎~チェルノブイリの森~』(11年)、『クレヴァニ、愛のトンネル』(14年)、『LIKA/ライカ』(16年)、『恋恋豆花』(19年)、『釜石ラーメン物語』(23年)などがある。
よしむら さおり Saori Yoshimura
主題歌「palette」
熊本県出身、鹿児島県在住。2017年1st.アルバム『二つのスカート』リリース。19年リリースの2nd.アルバム『palette』の売り上げの半分をLGBTの支援団体へ寄付。自らもバイセクシュアルであることを公表し活動している。20年2月に1st.シングル『カエラナイ/ナイアガラ』リリース。20年3月~6月、同年8月~21年8月まで、1ヶ月に1曲ずつの新曲配信リリースを行い『ビール』、『空模様とこの部屋』、『散歩』、『EVAのテーマ』の4曲がSpotifyの公式プレイリスト『Women’s Voice』に選出された。