包丁の音、湯気の匂い・・・。
時を超え、愛を届けてくれたのは、
母が遺した料理のレシピ――――――。
これは台湾と日本を故郷とする、
一青妙、一青窈姉妹の家族の物語

 


台湾人の父と日本人の母、可愛い妹と共に、家族4人で暮らした懐かしい家。その家を取り壊す時、見つかった赤い木箱。中にあったのは、亡き母の台湾料理のレシピ帳。妙の心に思い出があふれ出す…。

本作が描き出すのは、料理を通じて見えてくる、母から娘たちへの愛、そして家族の絆。一青妙によるエッセイ「私の箱子」「ママ、ごはんまだ?」(講談社刊)を基に、心温まるヒューマンドラマが誕生した。
主人公・妙を演じるのは、多くの映画やドラマで活躍する実力派の木南晴夏。その妹・窈に、期待の若手女優の藤本泉。母・かづ枝には、演技派、河合美智子。監督は『能登の花ヨメ』、『劇場版 神戸在住』の白羽弥仁。東京、金沢、中能登町、台湾のロケを敢行し、数々の台湾家庭料理を作るシーンも映画の魅力だ。そして主題歌は、一青窈。この映画のためにこの曲を書き下ろし原作者である姉との絆を見せる。
辛い時にも幸せな時にも、心を込めて料理を作り、料理を囲む。
それは、家族が、繋がること。そんな原点に立ち返らせてくれる映画『ママ、ごはんまだ?』が、心を優しく包み込む。
 
 


家族で暮らした懐かしい東京の家を取り壊す時に見つかった、赤い木箱。古い手紙の束と一緒に入っていたのは、20年前に亡くなった母の台湾料理のレシピ帳。一青妙の脳裏に、いつも料理をしていた母の姿が浮かぶ・・・。
台湾人の父と日本人の母・かづ枝とともに、幼少期を台湾で過ごした妙。慣れない環境で苦労もあったはずなのに、記憶の中のかづ枝は、言葉も台湾料理もお手の物の、明るく逞しい母だ。やがて妹・窈が生まれ、一家は東京へ移り住む。だが時を経ずして、優しい父を亡くす。

どんなに辛い時でも、かづ枝は日々、料理をし、娘たちは、その料理を愛した。大学生になった妙が隠し事をした時も、その心を戻したのは、母が黙って差し出すお粥だった。かづ枝の料理は、家族の絆を強め、そして周囲の人々をも幸せな気持ちにした。だが間もなく、かづ枝は病に倒れ、亡くなってしまう。妙と窈を悲しみから救ってくれたのもまた、冷凍庫に残されていた母の味・・・。
あれから20年が過ぎた今、姉妹は、一青家ゆかりの地、中能登町にあるかづ枝の墓前で、母の小さな秘密を知る。妙は、ある思いに駆り立てられ、台湾へと向かう。果たして、母がレシピに込めた想いとは?