恋愛も人間関係も含め大学生活がつまらなくなり、中退を考えている奈央。
そんな中、父・博一の提案で、彼の3度目の結婚相手となる綾と台湾旅行をすることに。父の再婚相手というだけでよく知らない女性となぜ旅行をしなければならないのか?
納得がいかないが、せっかくだから思いっきり楽しんでやろうと思う奈央の台湾旅行には、台湾の魅力的なスイーツやグルメとの出会い、そして思いがけない人々との出会いが待っていた…。
富田靖子(『アイコ十六歳』)、松浦亜弥(『美・少女日記』)、佐藤藍子(『タイム・リープ』)など数多くの美少女の面差しを映像に切り出してきた今関あきよし監督が今回カメラを向けた先は、「装苑」でモデルデビュー後、数々のファッション誌や広告に出演し、現在は映画・ドラマの出演が控え女優としても注目度№1のモトーラ世理奈。独特の雰囲気を持つ彼女が今関あきよし監督によってどう映像に切り出されるのだろうか。
奈央と台湾の旅を共にする綾には『朱花の月』、『ヘヴンズ ストーリー』の大島葉子、父・博一役には意外にも今関作品初出演となる利重剛、そして『刀剣乱舞』や『最遊記歌劇伝』などの2.5次元舞台で活躍中の椎名鯛造の出演も期待を膨らませる。
また本作は、今関映画の原点ともいうべき「ポップな楽曲が全編を彩る」音楽映画でもある。その、思わず心がほっこりするようなメロディを歌い上げるのは、女優としても進境著しい、これが久々の本格レコーディングとなる後藤郁、本人役で出演もしている日台ハーフのシンガーソングライター・洸美-hiromi-、日本でも人気急上昇中の台湾ポップス界の実力派・PiA吳蓓雅と、音楽業界も注目の女性ヴォーカリストたちである。
彼氏と意見が合わなくなり、授業もさぼりがちで大学生活に行き詰まりぎみの奈央は、父・博一の勧めで、彼の3人目の結婚相手となる予定の綾と2人で、1週間の台湾旅行に行くことになる。気乗りしない奈央とは対照的に、これから娘になる奈央との距離を詰めたい思いで明るく行動的に振舞う綾。台湾の美食に顔をほころばせて、徐々にではあるが奈央も彼女との距離をつめようという思いを抱くようになるも、綾から前の夫との間にもうけた娘が台湾にいる話を聞かされて、これから母になる綾に「???」、となったり…。そんな2人が夜市で偶然出会ったのがバックパッカーの日本人青年、清太郎。台湾の魅力を知りつくす彼は翌日、台北でも評判のお店「庄頭豆花坦」へと案内する。奈央に目の前に出された「豆花」、スプーンにすくい口に移す。「好吃!(ハオツー)」。奈央の全宇宙が歓喜を上げて、台湾モード全開に。その後2人は台中へ移動し、彩虹眷村や第二市場などの観光名所で心を癒し、芋園や魯肉飯などの台湾グルメでお腹を満たす。完璧な母娘となった奈央と綾に見えるが、綾が奈央に語りかける時の「ママが」という言葉がなんだか気になり、奈央のもやもやはなかなか晴れない。そして旅も佳境を迎え、台南へ移動するという時に博一から交通事故に巻き込まれたとの連絡が入る。綾は日本に帰ることにするが、残って旅を続ける奈央は清太郎との思いがけない再会を果たすのだが…。
CAST・STAFF
モトーラ世理奈
as 森下奈央
1998年生まれ。
2015年「装苑」でモデルデビューし、現在は専属モデルを務める。2016年RADWIMPSのアルバム「人間開花」のジャケット写真に起用され注目を集め、数多くのファッション誌や広告に出演し2018年にはパリコレデビューを果たす。同年、『少女邂逅』にて長編映画初主演を務め映画デビュー。NHK『透明なゆりかご』第6回(18年)、映画『21世紀の女の子~out of fashion』(19年)『おいしい家族』(19年/ふくだももこ監督)と続く。映画×NTVドラマ×Hulu『ブラック校則』(11月1日公開)、諏訪敦彦監督の『風の電話』(2020年1月24日公開)では主演を務め、シルク・ドゥ・ソレイユでバイオリニストと音楽監督を務めるポール・ラザーと共演の『Memories』と話題作が続々と控えている。
大島葉子
as 塚田綾
1965年生まれ。
高校生の頃からモデルとして活躍していたが、映画デビューは2004年の河瀬直美監督の『影Shadow』。その後、カンヌ映画祭にて上映された同監督の『朱花の月』(11年)や瀬々敬久監督の『ヘヴンズ ストーリー』(10年)で注目を集め、その後は映画、テレビドラマ、CMなど女優として活躍している。その他の映画出演作に『戦争と一人の女』(12年)、『インターミッション』(12年)、『沈黙-サイレンス-』(16年)、『楽園』(瀬々敬久監督・19年)、『葬式の名人』(樋口尚文監督・19年)などがある。
利重剛
as 森下博一
1962年生まれ。
自主制作映画『教訓Ⅰ』が1981年「びあフィルムフェスティバル」にて入選。同年、連続ドラマ『父母の誤算』で俳優デビュー。岡本喜八監督の映画『近頃なぜかチャールストン』(81年)では、共同脚本、主演、助監督を務める。その後も、数多くの映画、ドラマに出演。近年の主な映画出演作に『人魚の眠る家』(18年)、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(19年)、監督作に『クロエ』(01年)、『さよならドビュッシー』(13年)、連作ショートフィルム『Life works』(14年〜)などがある。
椎名鯛造
as 中山清太郎
1986年生まれ。
『中学生日記』(01年)や『キッズ・ウォー3』(02年)にて子役として活躍していたが、08年に『遥かなる時空の中で』で初めて舞台を踏んで以降、『最遊記歌劇伝』シリーズ(08年~)、『刀剣乱舞』シリーズ(16年~)、などの2.5次元などの舞台を中心に活躍している。その他の映画出演作に『DIVE!!』(08年)、『刀剣乱舞 -継承-』(18年)などがある。
石知田/シー・チーティエン
as Tian
台湾大学在学中に短編映画に出演したことをきっかけに、名匠ニウ・チェンザー監督の『軍中楽園』(14年)で本格デビュー。続く『若葉のころ』(15年)では早くも主演を務め、以後、『私の少女時代-Our Times-』(15年)、『私を月に連れてって』(17年)、『悲しみよりもっと悲しい物語』(15年)※クォン・サンウ主演の同名韓国映画の台湾リメイク版 と、日本でも公開された話題作に出演。最新作はレイニ―・ヤン共演のホラー大作『靈語』(20年公開予定)。
潘之敏/ヴィッキー・パン・ズーミン
as 林品希
名門・清華大学卒業後、台湾アート映画の巨匠リー・チーユエン監督に師事、演技と脚本を学ぶ。同時に数々の短編映画に出演してキャリアを重ね、リー監督と脚本を共同執筆した『河豚』(11年)で長編映画主演デビュー(同作で共演したのは、台湾人気No.1男優のウー・カンレン)。その他の出演作に、テレビドラマの『深夜食堂 中国版』(17年)、大ヒット伝奇ホラー『粽邪』(18年)などがある。
今関あきよし(監督)
高校生の頃から8mm映画の自主制作を始め、1979年に制作した『ORANGING'79』がオフシアター・フィルムフェスティバル'79(のちのPFF)で入賞を果たす。その後も自主制作で青春時代を過ごす少女の甘酸っぱさを繊細に描く作品を次々と送り出し、インディーズ界の雄のひとりとして注目を集める。1983年に『アイコ十六歳』でメジャーデビューを果たす。プロとなってからも少女の心を描いた作品を多数世に送り出している。その他の監督作にグリーン・レクイエム』(88年)、『すももももも』(95年)、『タイム・リープ』(98年)、『十七歳』(02年)、『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』(11年)、『クレヴァニ、愛のトンネル』(14年)、『LAIKA/ライカ』(16年)などがある。