夢は抱かなければ掴むことはできない。
しかし抱いても、掴みきれなかった先にあるものは・・・
『ホコリと幻想』 ―それは、孤独感を常に抱いている男。信頼という絆にすがりつく男。
欲望に取り憑かれ逃避した男。そしてそれを席巻する女。―さまざまな人間模様が
交差し歯車が擦れあい、誇りと幻想(愛、または埃のように吹き飛ばされる誇り)を模索する
北海道の旭川を舞台にした物語。
主人公の「孤独な男」松野を演じるのは北海道を中心に全国で幅広く活動を続けている
演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーで舞台のみならず映画、テレビドラマでも活躍している戸次重幸。
「孤独な男」を翻弄させる美樹役には女優、モデル、クリエーターとマルチな活躍をみせている美波。
さらに、遠藤要、内田朝陽、奥山佳恵、本田博太郎ら個性派、実力派の演技陣が脇を固めている。
普段は医療機器会社のサラリーマンながら創作活動を続けているという異色の経歴を持つ鈴木聖史が
メガホンを執っている。本作は彼にとって2010年の『ある夜のできごと』以来、2本目の劇場作品となる。
「俺は成功者」、「夢を叶えた」と自ら虚しく言い聞かせる負け犬となった男が夢、挫折、絶望、狂気、救い、
底力を経て再生へと向かう様がちょっぴりビターな感動を呼び起こす。