鈴木聖史
監督・脚本・編集
1977年生まれ。北海道旭川市出身。脚本家、映画監督。
学生時代に東映撮影所にて、編集を通して映画製作に触れはじめる。同時期に数本の短編映画を
製作の後、2004年『case-1』、05年から07年には、180分を超える近未来長編映画『始まりの場所』、
06年に『case-2 documents』を製作し、インディーズムービーフェスティバル、PFF、映画関係者からの
評価を受け、10年『ある夜のできごと』にて劇場デビューを果たす。
大学卒業後から現在まで”医療系サラリーマン”と二足のわらじは変わらずに製作を続けている。
本作は劇場公開作としては2本目。
MESSAGE FROM DIRECTOR
「孤独感」を浮き彫りにしていきます。
心が締め付けられるほどの青春の前半から日々生きていかなければという切迫した後半へ
一瞬の再会なのだから、ココロも傷まない筈だった。
これから先もそう何度も会わないのだから、今の自分の世界を救うための嘘なんて、
怖くもなんともなかった。バレたとき、ぬるま湯につかって可哀想な同級生を見て、
思わず罵ったら・・・なぜか涙が出てきた。
地元で生きている連中を見て、狭い世界で生きているなって思っていたら、
それは自分の方だった。
それでも認めるわけにはいかなかった。だって俺は、成功していなくてはいけないからだ。
夢を叶えたとか言って、詐欺師に成り下がってしまった男の物語は、ひどく格好悪く、
それでも最後は愛らしい。
この格好悪さを正面から描き、それでも必死だから感じるダサ格好良いを最後に一瞬見せます。
それを見せる為の前半のノスタルジックな世界と、現在をメインに描く後半の残酷な時間の経過は、
「綺麗に生きる格好良さ」ではなく「アンバランスな人生の格好良さ」を一人の主人公を通して
伝えられたらと思います。
『ホコリと幻想』 監督 鈴木聖史.